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新宿グランドツアー【12】歌舞伎町周辺の地形 -都市のクボ(低地)として- [新宿グランドツアー]

【12】 歌舞伎町周辺の地形 -都市のクボ(低地)として-

新宿駅東口から歌舞伎町方向に歩くと、道が緩い下り坂になっています。男物の靴だと気づかないかもしれないが、勾配に敏感なハイヒールだと気づきます。靖国通りを渡って歌舞伎町に入っても緩い下り勾配は続き、やがて歌舞伎町のランド・マークであるコマ劇場の裏から新田裏(現:新宿6丁目交差点)へと通じる花道通りに出ます。花道通りを渡ると、今度ははっきりと上り勾配になります。つまり、花道通りのあたりがいちばん低くなっています。歌舞伎町は、新宿のクボ(低地)なのです。

地図で調べると、新宿駅東口の標高が約37m(淀橋台=武蔵野洪積層台地の高位面)なのに対し、花道通りのあたりには東から30mの等高線が入り込んで谷を形成していて、標高は29mほどと思われます。そこから坂を上り切った鬼王神社のあたりは32mになっています(豊島台=武蔵野洪積層台地の中位面)。平坦なように思われている新宿の街も、実はけっこう起伏があるのです。

12歌舞伎町の地形1.JPG
↑ 「風林会館」前の交差点から見た花道通り。
遠景の黒っぽい建物は、コマ劇跡地に建った「新宿東宝ビル」ビル。

いちばん低い所をゆるく曲がりくねっている花道通り、実はもともと川でした。西新宿の湧水を水源とし、歌舞伎町を東西に横切って、西向天神社(新宿6丁目)のあたりで北に向きを変え、戸山公園で池を作り、さらに馬場下町から早稲田鶴巻町を抜けて、駒塚橋のあたりで神田川に注ぐ「カニ川(蟹川)」という川だったのです。きっと昔は、沢蟹がいる清流だったのでしょう。今は、すべて暗渠化されて、歌舞伎町の歓楽街やラブホテル街の排水を一手に引き受け、たぶん日本一たくさんの精液が流れ込むと言われる「戸山幹線」という下水道に姿を変えてしまいましたが。

ところで、歌舞伎町の地理を概念化する便利な方法があるので、お教えしましょう。区役所通りを縦軸に、花道通りを横軸とする座標軸をイメージします。原点は、歌舞伎町のランド・マークのひとつ「風林会館」です。4つに分けられた象限は、第1象限(北東)は歌舞伎町2丁目東側のラブホテル街、第2象限(北西)は歌舞伎町2丁目西側の「ディープ歌舞伎町」、第3象限(南西)は歌舞伎町1丁目西側で、コマ劇場があった一般にイメージされるヘテロセクシュアルの歓楽街「歌舞伎町」、そして、第4象限(南東)は歌舞伎町1丁目東側で、ゴールデン街と区役所通り東側のホステスクラブの密集域、と特徴づけることができます。

これは、私が駆け出しの「歌舞伎町の『女』」だった頃、お世話になった「ジュネ」の薫ママが教えてくれた方法です。そしてママは私をこう諭しました。「第4象限はあたしたちのシマ(縄張り)。第3象限の歌舞伎町(1丁目)は0時前なら一人で入ってもまず大丈夫。でも第2象限(ディープ歌舞伎町)は入っては駄目よ。あそこは外国のマフイアが仕切っている場所が多いから、何かあっても助けてあげられない。(第3象限の)歌舞伎町(1丁目)は日本のヤクザのシマだから、(もし何かがあっても)まあ、あたしが話はつけられる。それから第1象限は(ラブホ街だから)男の人に連れていってもらいなさい」

20年ほど前の教えですが、今でもだいたい通用します。歌舞伎町で起こる事件・トラブルの多くは、こうした地域性に疎い人が、興味・欲望にひかれて、入ってはいけない時間帯に入ってはいけないエリア(「ディープ歌舞伎町」)に足を踏み入れることで起こります。皆さんもお気をつけください。

「風林会館」の向かい側(南側)に細い路地があります。知ってる人でないと気づかないほど狭い入口を中に入ると、ここが21世紀の新宿歌舞伎町とは思えない景色が現れます。
12歌舞伎町の地形」3(新宿センター街).JPG
1951年にできた旧「青線」の「歌舞伎小路」の跡地で、現在は「新宿センター街」と名乗っていますが、「ゴールデン街」地区がカジュアル化しつつある現在、新宿「青線」街の雰囲気を一番残している場所です。
12歌舞伎町の地形2(新宿センター街).jpg

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